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羽田空港の国内線第2ターミナルなどで11月、水道水に塩分が混入して給水が一時停止したトラブルは発生1カ月となる6日現在も原因特定に至っていない。2020年東京五輪・パラリンピックを控えて空港利用者の増加が見込まれる中、国は検討委員会を立ち上げて本格調査に着手するなど、不安払拭に躍起だ。突然蛇口から流れ出た塩水は何だったのか。専門家や関係者の話から、謎が浮かび上がる。
混入経路は
羽田空港で使われる水道水は東京都水道局が供給する。国から給水業務を請け負う会社「空港施設」は給水管の詳しい経路について、防犯上の理由から詳細を明らかにしていない。ただ、空港近くで都の水道管から同社が管理する給水管に流れ込み、いったん管理センターを経由した後、枝分かれした給水管を通って各ビルに向かうという。
広島市水道局に勤務経験がある近畿大の嶋津治希教授(土木環境工学)は、第2ターミナルと洗機場の水から塩気が感じられた一方、それ以外の施設の水は異常がなかった点に着目する。管理センターでは定期的に水質検査を実施しており「異物の混入はその先で起こった可能性が高い」とみる。
嶋津教授によると、工事中に配水管を誤接続し、水道水以外の水が給水管に流れ込むケースは他施設で例があるという。同空港では当時、第2ターミナル増築やトンネル建設など複数の工事が行われていた。国土交通省は「現時点で工事の影響は確認できない」とするが、嶋津教授は「徹底的な調査が必要」と話す。
何の塩分か
専門家が重要なカギとみるのは問題の水の成分だ。国交省によると、洗機場の水からは、塩が水に溶けた状態で生じる塩化物イオンが1リットル当たり5797ミリグラム検出された。水道法が定める基準(同200ミリグラム)の約30倍で、海水の約3分の1の濃度に相当する。嶋津教授は「人為的に混入させるには大量の塩が必要で、通常では考えにくい」と指摘する。
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臨海部にある羽田空港の地下水には塩分が含まれている可能性が高い。国などは水質検査結果の詳細を明らかにしていないが、名古屋大の平山修久准教授(水道工学)は混入物質を突き止めるには「塩分以外にもどんな物質が、どれだけ含まれていたかもポイントになる」と話す。
異常、なぜ一度きり
最大の謎は、水質異常が当日の一度きりだったことだ。空港施設の調査では、管の破損などの不具合は見つからなかった。平山准教授は「あくまで可能性の一つ」と強調した上で、給水管内の水圧が一時的に下がったケースを想定する。
水道管には普段は見つけられない程度の小さな亀裂や穴があり、都内でも水道水全体の3.2%(18年度)が途中で漏水している。平山准教授は「水道水の大量使用などが重なり、一時的に給水管内の水圧が急激に下がった結果、こうした亀裂などから塩分を含んだ地下水が入った可能性も否定できない」と分析。「当時の水の使用状況も併せて調査すべきだ」と話す。
国交省は専門家を交えた検討委員会を発足させ、5日に初会合を開いた。今後、本格的な調査に着手する。同省の担当者は「空港利用者の不安を払拭するため、原因究明を急ぎたい」と話している。
▼羽田空港の給水トラブル 11月6日朝、羽田空港の洗機場で水に塩気を感じると連絡があり、第1、第2ターミナルへの給水が停止された。第1ターミナルは水質に問題がなく当日復旧したが、第2ターミナルは8日午後まで断水が続き、トイレの手洗いが使えなかったり、飲食店が営業できなくなったりした。
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December 06, 2019 at 09:41AM
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