リニア中央新幹線工事に伴う大井川流量減少問題を巡り、JR東海の宇野護副社長は7日、中下流域の水資源に影響が出た場合、補償の申請時期に期限を設けない方針を示した。静岡県議会最大会派の自民改革会議が県庁で開いた勉強会に出席し、明らかにした。
勉強会は非公開。宇野副社長は終了後、記者団に「事象が生じるのはいつになるのかも分かりにくい。従来の基準だと1年だが、期限を設けない」と説明した。国交省は公共事業の基準で、工事完了後1年を補償申請の期限に定めている。
流域住民からは、地下水の影響が工事の数十年後に表れるのではないかという不安の声が上がっていた。
補償を受けられる期間は公共事業の基準に沿って30年間に限定するとしていたが、宇野副社長は「今後の話だ」と述べた。ただ、因果関係が認められた場合に限って補償する方針は維持し「泣き寝入り」が解消されるかは不透明だ。
自民の野崎正蔵政調会長は取材に「科学的にどうのより、流域の不安を解消できないかと勉強会を開いた」と狙いを語り、JRの説明について「細かな内容は詰めないといけないが、大きな方針としては評価できる」とした。
一方、県議会第2会派ふじのくに県民クラブは同日、県当局からJRとの協議状況の説明を受けた。県がJR側に求めている47の質問項目のうち、「突発湧水」など10項目について集中的に聞いた。
同会派リニア問題プロジェクトチームの佐野愛子座長は「JRの説明に矛盾が多いことがよく分かった」と述べた。今後、JRや国交省から意見を聞く考えがあるかについては「今のところ考えていない」とした。
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February 08, 2020 at 06:17AM
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