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川や港に浮かぶマイクロプラスチック 14%が人工芝由来(橋本淳司) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

100地点中98地点でマイクロプラスチックを確認

 3月25日、株式会社/一般社団法人ピリカ(以下ピリカ)が「マイクロプラスチック等の浮遊状況調査」の結果を都内で発表した。

 '''公開データ「マイクロプラスチック等の浮遊状況調査」'''

 プラスチックごみ問題の解決を目指すピリカは、2019年6月~11月、日本国内の河川・湾岸100地点(12都府県の73の河川、港湾)でプラスチック片の流出経路や製品・用途等の解明を目的とした調査を行った。

 調査には「アルバトロス6号機」という独自に開発した機器が使用された。筒型の形状。スクリューで水を取り込み、内蔵したプランクトンネットでマイクロプラスチックをキャッチし、水を吐き出す。水量計も備え、「どのくらいの水量に、どのくらいのマイクロプラスチックが浮遊していたか」がわかる。

 結果、12都府県の98地点でマイクロプラスチックが確認された。東京湾など4港湾では、水1立方メートルに100個以上のマイクロプラスティックが存在する「ホットスポット」があることも判明した。ホットスポットは港湾の角部分に多く、水の流れや風の影響で滞留しやすいと考えられる。

 ピリカはマイクロプラ流出量が多いとされる東南アジアのメコン川下流域でも同様の調査を行った。その結果、日本でも都市部の河川では同程度の流出量が確認された。

 これまで、マイクロプラスチックは下水処理施設で取り除かれるので、流出量は下水処理施設の普及と関係があるとされてきた。すなわち下水処理施設が未普及の開発途上国ではマイクロプラの流出量が多く、下水処理施設が普及している先進国では少ないというものだ。

 しかし、今回の調査ではその関係性は見られなかった。

 小嶌不二夫社長は「マイクロプラスチックの流出量は、一人当たりのプラスチック使用量と人口に関係する。国内でも深刻な流出が起きており、しっかりと対策を進めなければならない」と語った。

人工芝、肥料用由来のマイクロプラスチック

 小嶌社長は、「マイクロプラスチック流出を止めるためには流出メカニズムを解明する必要がある」と語る。

 すなわち海洋に出る前に、流出品目(マイクロプラスチックがもともとどんな製品だったか)、流出経路(製品がどのようにマイクロプラスチックになり河川や海洋に流出するか)を解明することが重要だ。

 ピリカはアルバトロス6号で採取したマイクロプラスチックを分析。物性や色、成分等が共通していることからカテゴライズできるマイクロプラスチック群があり、5カテゴリーで、FT−IR(物質に赤外光を照射し、透過または反射した光を測定することで、試料の構造解析や定量を行う分析手法)のスペクトルが市販製品と一致した。

 判明したプラスチック片のうち、人工芝の破片は75地点で見つかり、採取されたマイクロプラスタック全体の14%を占めた。河川によっては人工芝の破片の割合が50%を超えた。

「公共のスポーツ施設などの人工芝の上で激しい運動をすると表面が削り取られる。その破片が施設周辺の側溝に入る。側溝をさらってみると多くの人工芝の破片のがあった」(小嶌社長)

 水田で使用される肥料用カプセルは、採取されたマイクロプラ全体の3.5%を占めた。肥料用カプセルは、「徐放性肥料カプセル」「被覆肥料カプセル」などとも呼ばれ、化学肥料をポリエチレンなどのプラスティックでコーティングしたもの。生分解性の肥料カプセルも増えてはいるが、分解されないカプセルは破片化が進み、目に見えないサイズとなる。

 稲作で大量に利用されるが、家庭菜園などでも使われる。上流部に水田が広がる富山県の小矢部川、石川県の犀川では採取したプラスチック片の約6割に達した。

 ビニールシートも多かった。ビニールシートはさまざまな業種で使用されるほか、災害時などにも使用される。使用しているうちに紫外線によって劣化し、避けやすい。

避けてしまったビニールシート
避けてしまったビニールシート

「今回の調査で、もとの製品が解明したマイクロプラスチックは3割程度。また、ペットなど水に沈むプラスチック片の調査はできていない。アルバトロス6号は比較的安価で操作も簡単。調査の規模を拡大するためにも、多くの人に調査に参加して欲しい」(小嶌社長)

 一口にマイクロプラスチックといっても、流出メカニズムを解明することによって様々なことが見えてくる。人工芝のスポーツ施設、水田など、土地の利用方法によって原因物質は変わるし、それがどのように水の流れに入り大河川や港湾に集積されるかは、流域内での水の流動と関係する。人工芝であれば年間通じて流出量に変化は少ないだろうし、肥料用カプセルであれば稲作の時期に多くなる。

 調査を拡大・継続することで、マイクロプラスチックの流出を抑制するアクションプランが描ける。

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March 26, 2020 at 06:26AM
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