2020.5.6 10:00
水中観察窓の説明表示の前に来たサケ。雨の後だったので少し水中がにごっている
北海道千歳市の「サケのふるさと 千歳水族館」。地下におりると、暗い部屋に大きなガラス窓が七つ、ならんでいる。そこから見えるのは、千歳川の水中だ。
この日はウグイの仲間がいっぱい泳いでいた。そのうち左はしの窓の方から声があがった。
あわてて見に行くと、大きなサケがいた。少しずつ右の窓に動いていく。川の流れをさかのぼっているんだ。見ている間にもう1匹、来た。
千歳水族館ができたのは24年前。館長の菊池基弘(もとひろ)さんによると、計画づくりの時、川の護岸(ごがん)工事があると知り、護岸に水中観察窓を付けることになった。「自然の川の中が見える水族館は海外にもたぶんないと思います」
親のサケは秋に海から川をさかのぼってくる。冬になると、窓から産卵するようすが見られる。産卵を終えてもメスは卵のそばをはなれず、卵を守ったまま一生を終える。
「春にはサケの赤ちゃんたちが小さい体で、せいいっぱい泳いで川をくだっていきます」
サケの赤ちゃんが少なくなると、観察窓をうめつくすのがウグイの仲間。ウグイは夏になると、体やひれが赤くなる「婚姻色(こんいんしょく)」に変化し、いっせいに産卵する。
四季折々の生きもののすがたがそのまま見られる観察窓。人間がイベントをやる必要なんてないんだ。(文・写真、佐々木央)=2018年10月配信
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May 06, 2020 at 08:00AM
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(541) 本物の川の水中が見える サケ<上> - 47NEWS
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