リニア 「水」巡る論議注視 県内の沿線地域 - 信濃毎日新聞

　長野県内の沿線地域も「水」を巡る静岡県とＪＲ東海の論議を注意深く見守った。リニア建設がもたらす自然、生活環境への影響は人ごとではないからだ。

　下伊那郡大鹿村釜沢地区では、南アルプストンネルの掘削に伴い簡易水道の水源が減量する場合に備え、代替水源の確保に向けた協議や水量の観測が続く。同地区の谷口文子自治会長（４５）は「人の生活に影響が出なければいいという問題ではない」とし、周辺の動植物や地形への影響も懸念。「ＪＲの説明で納得できない静岡県の立場は理解できる」と話した。

　同村に隣接する上伊那郡中川村の宮下健彦村長は「水を大事に考える静岡知事の言い分は自分も農家だから分かる。大きなプロジェクトでも、地域で困る人がいるのはよくない」と指摘した。

　木曽郡南木曽町は昨年、中央アルプストンネル掘削で周辺の水が枯れた場合、すぐに代替水源から給水できる仕組みをＪＲが整えた上で着工する―との協定を同社と結んだ。ただ観光名所の滝の水量などについては積み残した状態。向井裕明町長は「水を心配する静岡の気持ちは分かる」と説明。「静岡とＪＲのやりとりが、水問題に直面する自治体が参考にできる見本となればいい」と述べた。

（6月27日）

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June 27, 2020 at 06:51AM
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