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皿川を渡る:山陽新聞デジタル|さんデジ - 山陽新聞

津山線亀甲・佐良山間の第2佐良川橋梁を行く3937Dレ=2019年5月12日撮影

津山線亀甲・佐良山間の第2佐良川橋梁を行く3937Dレ=2019年5月12日撮影

亀甲・佐良山間の第1佐良川橋梁。以前は橋のたもとまで行くことができたが、柵が巡らされて近づくことができなくなった=2010年5月1日撮影

亀甲・佐良山間の第1佐良川橋梁。以前は橋のたもとまで行くことができたが、柵が巡らされて近づくことができなくなった=2010年5月1日撮影

亀甲駅すぐ佐良山駅側に架けられた荻峪川橋梁は、支間19メートルの上路プレートガーダ2連=橋台面長間38.13メートル=2018年8月18日撮影

亀甲駅すぐ佐良山駅側に架けられた荻峪川橋梁は、支間19メートルの上路プレートガーダ2連=橋台面長間38.13メートル=2018年8月18日撮影

小原駅からおよそ400メートル亀甲駅側の杖ヶ鼻開渠。Iビームのウェブ(腹板)にはDORMAN RONG & CO LD MIDDLESBROUGH ENGLANDと陽刻されている=2010年5月1日撮影

小原駅からおよそ400メートル亀甲駅側の杖ヶ鼻開渠。Iビームのウェブ(腹板)にはDORMAN RONG & CO LD MIDDLESBROUGH ENGLANDと陽刻されている=2010年5月1日撮影

亀甲駅の約500メートル小原駅寄りに架かる大垂川橋梁=2010年5月1日撮影

亀甲駅の約500メートル小原駅寄りに架かる大垂川橋梁=2010年5月1日撮影

旭川左岸から見た旭川橋梁第8桁=2010年5月9日撮影

旭川左岸から見た旭川橋梁第8桁=2010年5月9日撮影

第11架道橋。小さく見えるのは宇甘(うかい)川橋梁=2011年5月21日撮影

第11架道橋。小さく見えるのは宇甘(うかい)川橋梁=2011年5月21日撮影

 津山線は岡山駅から45.5キロメートルの小原駅と、53.4キロメートルの佐良山駅の間で6回、皿川を渡る。橋梁名は杖ヶ鼻開渠(かいきょ)、皿尻橋梁、大垂川橋梁、荻峪(おぎや)川橋梁、第1佐良川橋梁、第2佐良川橋梁。皿川とつく橋はなく、「さらがわ」を名乗る2橋の漢字も「佐良川」だ。

 皿川は、分水嶺の駅のある小原に発し、北に11.2キロメートル旅して吉井川に合流する。洪水に悩まされていたかつての河口付近は1679(延宝7)年、350石(こく)の美田に生まれ変わった。流路をつけ変えたのは、2019年11月15日付小欄で紹介した河原善右衛門(かわら・ぜんえもん)だった。

 『角川日本地名大事典 岡山県(角川書店、1989年)』には、「皿」は「佐良」とも書き、皿川左岸の氾濫原一帯の平地と丘陵地に位置する、と書かれている。佐良山は、津山市南部にある笹山標高300メートル、嵯峨山288.8メートル、356.2メートルの神南備(かんなべ)山のいずれか、あるいは総称して「佐良三山」と呼ぶのだという。

 鉄道橋梁やトンネルの命名権は設計した技師にあるらしいので、皿川6橋梁の名付け親は、中国鉄道会社の主任技師・小川資源(しげん)だろうか。荻峪川橋梁、第1佐良川橋梁、第2佐良川橋梁にはいまも、小川が監督した橋桁が架かっている。1897(明治30)年、イギリスのクリーブランドブリッジ社が製造した「作三〇年式」上路プレートガーダだ。イギリス人お雇い外国人ポーナルが設計したことから「ポーナル型」とも呼ばれる。

 杖ヶ鼻開渠の桁は支間3.43メートルのI(アイ)ビーム。津山線にはイギリスのミドルズブラで操業した鉄鋼会社、ドーマン・ロング社が造ったIビームが数多く残っているが、杖ヶ鼻開渠のIビームもその一つ。皿尻橋梁は1968年、支間8メートルの上路コンクリート橋に置き換えられたが、もともとは上路プレートガーダ1連だったと思われる。

 津山線一長い橋は建部・福渡間の旭川橋梁で、橋台面長間は198.83メートル。支間25.37メートルの上路プレートガーダ7連と、14.43メートルの下路プレートガーダ一1連の8連だ。その第8桁と、金川・建部間の第11架道橋18.7メートル1連、小原・亀甲間の大垂川橋梁38・3メートル1連が、津山線の下路プレートガーダ3姉妹。旭川橋梁第8桁は1962年、第11架道橋は1981年、大垂川橋梁は1983年生まれだ。一番大柄な三女だが、もともとは荻峪川橋梁のような優美な姿だったのだと思う。

 河川名と異なる橋梁名は2015年11月1日付小欄などでも取り上げたが、線路に沿って歩いていると、その名前や容姿に思わぬ発見がある。あまり生産性のない発見だが、生産性の低い小稿には、少しだけ生産性があるのではないかと思い、こんな原稿にしてみた。

 ◇

 小西伸彦(こにし・のぶひこ)専門は産業考古学と鉄道史学。「還暦を過ぎても産業遺産、特に鉄道と鉱山の遺産を見て喜ぶ、よく言えば研究鉄、ふつうに言えばただのもの好き」とは本人の弁。産業考古学会理事、鉄道記念物評価選定委員。著書に「鉄道遺産を歩く 岡山の国有鉄道」「みまさか鉄道ものがたり」(ともに吉備人出版)など。1958年総社市生まれ。香川大経済学部卒。

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January 15, 2020 at 09:00AM
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