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将来は雨傘でスマホ充電?1滴の水で100個のLEDを点灯できる研究が発表 - Engadget 日本版

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Cesare Fel / EyeEm via Getty Images

地球表面の約70%を覆う「水」は持続的な環境づくりを行うための再生可能エネルギー源として注目が集まっているものの、たとえば水力発電は必ずしも効率的に電力に変換できているとはいえないなど、常に技術的な制約が立ちはだかっていました。

そうした方法の1つである液滴ベース、すなわち水滴の落下による発電機につき、従来の方法よりも数千倍もの高い電力を取り出すことに成功したと報じられています。香港城市大学の研究者が率いる研究チームが取り組んだ液滴ベースの発電機(DEG)は、基本的には水滴が個体にぶつかったときの接触帯電と静電誘導、つまり異なる物質が接触した際の電荷の移動を利用したものです。しかし表面で生成される電荷の量は界面効果により制限され、その結果エネルギー変換効率は微々たるものとなっていました。

研究チームはその変換効率を改善するため、新方式のDEG開発に2年を費やしたとのことです。それは、電界効果トランジスタ(FET)のような構造を持つもの。FETとは回路に流れる電流を制御するトランジスタであり、集積回路などを構成する素子としても多用されています。

新設計のDEGはアルミニウム電極と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜をかぶせた酸化インジウムスズ(ITO)電極で構成されているものです。まず落下する水滴がPTFE/IIO電極に触れると電荷が発生し、それがアルミニウム電極に当たって広がることで「橋渡し」し、回路が繋がって電荷が完全に放出されるというしくみ。要するに次々と水滴が落下するたび、蓄積された電荷が無駄なく回収されるわけです。

研究チームによると、その効率は15cmの高さから100マイクロリットル(0.1ml)が落ちることで140Vを超える電圧が生成でき、瞬間的に100個の小さなLED電球を点灯できるとのことです。さらに落下する水の運動エネルギーは重力によるもので、完全に再生可能エネルギーだとも述べられています。

そして研究では相対湿度の低下が発電効率に影響を与えず、雨水と海水の両方を使用して発電できるとされているとのこと。つまり降り続ける雨水や、海上を運行する船体の表面でも応用できる可能性が示されたといえます。

この技術が実用レベルにいたるには、まだまだクリアすべき課題があります。今回実証されたのはあくまで短時間の発電のみであり、長期にわたって継続的に発電するには、いっそうの追加研究および開発が必要と思われます。

とはいえ、建物の屋上から、液体を入れるボトルまで「定期的に水滴が落ちてくるもの」を考えれば応用範囲はとてつもなく広がるはず。スマートフォン用バッテリー兼雨傘など、夢のデバイスが登場する日を待ちたいところです。

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"水" - Google ニュース
February 10, 2020 at 04:29PM
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