Search

【おいしい浮世絵 浮世絵】(下)安倍川餅 川渡りの腹ごしらえに - 産経ニュース

「東海道五拾三次之内 府中 あべ川遠景」 歌川広重 浦上満氏蔵
「東海道五拾三次之内 府中 あべ川遠景」 歌川広重 浦上満氏蔵
その他の写真を見る(1/2枚)

 「府中 あべ川遠景」は、広重の代表作「東海道五拾三次之内」のうちの1枚。舞台は府中宿の西側(静岡市弥勒周辺)で、画面の左右いっぱいに街道の様子が描かれている。道に連なる木々を手前から目で追うと、だんだんと小さく描かれているのが見て取れる。

 当時日本は鎖国中だが、長崎の出島に入ってくる西洋画を江戸でも見ることができた。オランダの風景版画などを目にした絵師たちはその画風を取り入れ、ときに浮世絵にも活用した。広重もここで遠近法を用いながら、広々と開放的な風景を描き出している。

 道の先には東海道の難所の一つとされた安倍川が流れている。旅人たちは橋もなければ船もないこの川をなんとかして渡らなければならなかった。人足(にんそく)に手を引いてもらい冷たい川の中を歩くか、肩車や蓮台(れんだい)を頼むのだが、当然費用もかかる。しかも、悪天候や川の水量が多いときに当たれば金額も跳ね上がった。

 そんな難所として知られた府中だが、美味なる名物でも注目を集めていた。餅にきな粉と砂糖をかけていただく「安倍川餅」である。当時人気を博した十返舎一九(じっぺんしゃいっく)による、弥次さん喜多さんの2人が、おもしろおかしく旅する物語『東海道中膝栗毛』にも、「あべ川 もちの名物にて、両側の茶屋、いづれも奇麗に花やかなり(原文ママ)」とあり、江戸でもその存在は知れ渡っていたのだ。

 この絵の両側にも「名物安部川餅」「名物あへ川もち」と記した看板が描かれている。右の店先には駕籠(かご)が置かれているので、なかで誰かが餅を食べていると思われる。左の店では、奥で2人組みが餅を搗(つ)き、外で男が餅を食べるところだ。それにしてもこの男性、随分と大きな口を開けている。安倍川餅は今も静岡名物の一つだが、そのサイズはおよそ一口大。それに比べるとここに描かれている餅はかなり大きい。

続きを読む

Let's block ads! (Why?)



"川" - Google ニュース
August 16, 2020 at 07:00AM
https://ift.tt/3iLr3vL

【おいしい浮世絵 浮世絵】(下)安倍川餅 川渡りの腹ごしらえに - 産経ニュース
"川" - Google ニュース
https://ift.tt/2TmBnRh
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "【おいしい浮世絵 浮世絵】(下)安倍川餅 川渡りの腹ごしらえに - 産経ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.