佐賀市の市街地を流れる川で繰り広げられたスナメリ救出劇には住民や建設業者、船を出した漁業者など多くの人たちが力を合わせた。現場を取材していた佐賀新聞のカメラマンである私も、川に入りスナメリを追い込む役で参加した。
「嘉瀬町の川にイルカがいる」。午前11時半ごろ、同僚の記者からの連絡で現場に向かうと、スナメリは既に身動きが取れない状態だった。干潮時刻が迫り、川筋は細い。大きな体はもがけばもがくほど川底の泥の中へ。警察官や消防隊員も相手が動物のため手出しできないようだった。
「このままずっと弱っていく姿を撮り続けるのか。水が深い場所まで追い込めば助けられるかも」。必要な写真や動画は一通り撮ったと判断し、カメラを置いて雨合羽に着替え、裸足で川に飛び込んだ。深く柔らかい泥に脚を取られ、途端に動きが鈍くなる。ほんの数メートルが遠かった。
息を切らせてスナメリの元にたどり着くと、岸で見守っていた人々から応援の声が。そのうち「自分も」と、近くの高橋餅本舗福屋の福井健一郎さん(38)も川に入ってくれた。1・5メートルのスナメリは重く、二人がかりで深い場所まで追い込んでも再び泥の中に戻ってきてしまう。次第に私の体は冷え始め、手足の先から感覚がなくなってきた。「甘かったか…」
諦めかけたその時、現場にクレーン付きのトラックが横付けされた。「これで海まで運ぼう」。近くで建設会社を営む田中省三さん(54)。小さな舟に数人がかりで載せ、舟ごとつり上げる。バランスを崩して途中で落ちてしまわないかハラハラしたが、先に岸に上がり、市民による救出劇をカメラに収めた。無事スナメリがトラックの荷台に載ると、見守っていた人々の間で舟に水を注ぐバケツリレーも始まった。
寒さに震える私を見かねた福井さんが自宅の風呂を借してくれるというので、迷惑を承知で甘えた。その後、田中さんのトラックについて漁港へ行き、さらに田中さんの親戚という漁業者の内田彰仁さん(37)の船に乗せてもらった。「せーの」の合図で海に放たれたスナメリが、少し間を置いて再び顔を覗かせると、船上にようやく安心感が広がった。
私一人の力ではとても助けられなかった。そんな自分に差し伸べられた佐賀の人たちの手の温かさに感じ入った。(志垣直哉)
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December 13, 2020 at 06:30AM
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佐賀市の川に迷いスナメリ 迫る干潮、思わず川へ 佐賀新聞カメラマンも救出に参加 - 佐賀新聞
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